この記事では数式のLaTeXにおける記述についてまとめます。TeXによる論文執筆全体のまとめ記事はこちらをご覧ください。
数式の書き方
数式を記述する上で、amsmath, amssymbのパッケージを使うことで各種の数学記号等を自由に使えるようになります。数式の記述例(コード,出力)を以下に示します。
TeXにおける数学記号の書き方
よく用いる数学記号の命令と出力とを列挙します。
ここで挙げたものは一例であり、数式や分野で必要に応じで調べた上で利用する必要がありますのでご注意ください。
命令(数学記号)
\exp, \log, \inf, \sup, \lim, \cos, \sin, \arg, \ker, \det
出力結果(数学記号)
次に、2項演算子や関係子などの主要な記号をいくつか列挙します。
命令(2項演算子・関係子など)
\pm, \times, \cap, \cup, \geq, \leq, \subset, \in, \sum, \int, \rightarrow
出力結果(2項演算子・関係子など)
最後に、信号 a(t) の微分を(・)で表すなど、アクセントを含む例をいくつか示します。
命令(アクセント)
\dot a, \dot{a}(t), \dot{a(t)}, \dot{a}_{1}(t), \hat{a}, \check{a}, \bar{a}, \ddot{a}
出力結果(アクセント)
出力結果の3つ目は、a(t) 全体を括弧で括った結果であり、命令として失敗の例を敢えて載せておいたものです。
TeXにおける行列の書き方
制御の論文を執筆する場合に、行列が長すぎてテキストの幅に収まらないケースがあります。そのような場合には、twocolumnをonecolumnにして表示する方法や、文字サイズを小さくする方法が考えられます。その他の手法として、行列を途中で改行する方法について以下で示します。
行列を2行に分けるTeXコード
\begin{eqnarray}
A &= \left[\begin{array}{cc}
A_1 & A_2 \\ B_1 & B_2
\end{array}\right.\nonumber \\
&\left. \begin{array}{cc}
A_3 & A_4 \\ B_3 & B_4
\end{array}\right]
\end{eqnarray}
行列を2行に分ける出力結果
この他にも、\!というスペースを詰める記号を使って横幅を狭めるなど、様々なテクニックがありますので参考にして頂ければ幸いです。
数式の参照
上記のコード01では、ラベルとして[ラベル01]を設定しています。出力01の式番号は(1)です。
この式を文中で引用する場合は、(\ref{ラベル01})や(\ref{ラベル01})式という形でTeXソース内で記述します。これによって、出力では(1)や(1)式のように表示されます。ラベル付けしていないラベルを参照したり、複数同じラベルを付けた場合はうまく出力されないため注意してください。
自己紹介
岡島 寛 (熊本大学工学部情報電気工学科准教授)
制御工学の研究をしています。モデル誤差抑制補償器,状態推定,量子化制御など
研究室HP
岡島寛 (システム制御 control-theory.com)
English Web Page
Hiroshi Okajima (Control Engineering control-theory.com)
制御動画ポータルサイト
制御工学チャンネル(伝達関数・状態方程式・MATLABなど)
電気動画ポータルサイト
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本記事は以上です。