制御工学ブログ / Control Engineering Blog

制御工学の基礎から専門まで、動画・MATLABコード付きで解説。20年以上の研究経験をもつ大学教員が運営。Control engineering tutorials, research articles, and MATLAB code by a university researcher. Topics: LMIs, state estimation, model error compensator, multirate systems, observer design.

はじめてのLaTeXによるレポート作成

本記事では、初学者がLaTeX(ラテフ)レポートを執筆(Report Writing with LaTeX)するための方法についてまとめます。熊本大学情報電気工学科・半導体デバイス工学課程の1年生(工学基礎実験)を想定して記事執筆しています。

TeXによる論文の執筆に関するメインページはこちらです。図表の作成などの詳細は以下のページから確認ください。

>>LaTeXによる文章・論文の執筆方法[徹底解説]

LaTeXの利用

簡単なTeXソースコード

ここでは、LaTeXの実行環境が揃っている場合を想定して説明します。クラウドサービスによる実行環境については、TeX論文のメインページに説明があります。

TeXのソースプログラムは「ファイル名.tex」という形で拡張子.texが必要になります。ファイル作成時には拡張子に注意してください。

テキスト形式であり、TeXソースプログラムを記載します。以下が簡単なTeXプログラムの例です。(なお、TeXではエンマークとバックスラッシュが同義であることに注意ください。)

    \documentclass[a4j]{jarticle} % プリアンブル部
    \begin{document}
    test %本文
    \end{document}

「%」マークは以降の文章がコメントアウトされます。なお、上記のたった4行のTeXソースですが、コンパイルすると「test」と表示されたPDF(もしくはDVI)ファイルが出力されます。(情報電気工学科の計算環境ではplatexコマンドでdviに変換します。xdviコマンドで表示、dvipdfmxコマンドでpdfに変換します。)

次に以下のように文字ポイントを12ptに指定しましょう。また、sectionを使って、節を分けてみましょう。学術論文卒論を執筆する際には、節をうまく設定する必要がでてきます。

    \documentclass[12pt,a4j]{jarticle} % プリアンブル部
    \begin{document}%本文
    24X-T**** 情電 くまモン 太郎 
    \section{はじめに}
    aaa
    \section{アピールポイント}
    aaa
    \end{document}

このとき、出力において「24X-T****」と「情電」の間のスペースがどうなるかを確認してみてください。以下が出力結果(PDFの上部表示)になります。

LaTeXで\sectionコマンドを使い「はじめに」「アピールポイント」の2節を作成したPDF出力結果

LaTeXの出力(PDF): sectionコマンドで節を分けた例

一度試しに出力した後、{を消したり、\sectionの\を消したりしてどのような実行結果になるか試してみましょう。LaTeXのエラーメッセージは多岐に渡りますので、以下が参考になります。

空白と改行

空白や改行の設定は様々なコマンドがあります。文章のみのレポートの場合は多くは空行のみで済みますが、ケースにより使い分けることがあります。

    \documentclass[12pt,a4j]{jarticle} % プリアンブル部
    \begin{document}%本文
    24X-T**** 情電 くまモン 太郎 
    \section{空白と改行}
    aaa\,bbb\ ccc r %下に空行:段落(インデントする)

    ddd\par %段落(インデントする)
    eee\\ %改行
    fff\newline %改行
    ggg

    \noindent %インデントなし
    hhh
    \end{document}

このとき、出力において空白や改行がそれぞれどのように表示されるかを確認してみてください。

LaTeXで\,(小スペース)、\par(段落)、\\(改行)、\newline(改行)、\noindent(インデントなし)を使った出力結果の比較

LaTeXの空白・改行コマンドの出力比較

簡単な数式

次に簡単な数式を書きます。数式の詳細は

>>数式のLaTeXにおける記述

をご覧ください。ラベルの付け方や、各種ギリシャ文字の書き方、行列の書き方などを記載しています。プリアンブル部にpackageファイルを用いて次のように記述します。

    \documentclass[12pt,a4j]{jarticle} % プリアンブル部
    \usepackage{amsmath}
    \begin{document}%本文
    \begin{eqnarray}
    e^{\pi i} = -1
    \end{eqnarray}
    \end{document}

出力結果は次のようになります。

LaTeXのeqnarray環境でオイラーの公式 e^{πi} = -1 を表示したPDF出力結果(式番号付き)

LaTeXで数式 e^{πi} = -1 を出力した例(eqnarray環境)

レポート作成では、数式の他にも図や表を用いるケースがありますが、これらについてはTeXまとめページをご覧ください。

レポートの書き方例

最後に、レポートの書き方例を示して終わりたいと思います。最低限必要な項目は

  • タイトル
  • 氏名・(所属や学生番号など)
  • 本文
  • 参考文献

です。以下は、レポート作成のサンプルファイルです。

    \documentclass[a4j]{jarticle} % プリアンブル部
    \usepackage{amsmath}
    \title{タイトル}
    \date{} %日付を記載(ない場合は{}のままにする)
    \author{所属,著者}
    \begin{document}%本文
    \maketitle
    \section{はじめに} %短いレポートでは必ずしも必要ではない
    本文を開始。以後説明を続けていきます。
    \begin{eqnarray}
    e^{\pi i} = -1
    \end{eqnarray}
    本文を終了。文献\cite{num01}を引用。
    \begin{thebibliography}{99}
    \bibitem{num01}
    著者,タイトル,刊行物,巻号,ページ,年
    \bibitem{num02}
    著者,タイトル,刊行物,巻号,ページ,年
    \end{thebibliography}
    \end{document}

あくまでサンプルとして参考にして頂き、適宜アレンジ下さい。課題提出物によっては、プリアンブル部が指定されている場合があります。その場合は、クラスファイルなどを用いて環境を設定します。

出力は次のようになります。文献の引用には\citeを用います。

LaTeXでタイトル(\maketitle)、節(\section)、数式(eqnarray)、参考文献(thebibliography)を含むレポートのPDF出力結果

LaTeXレポートサンプルの出力結果: タイトル・著者・節・数式・参考文献を含む

以上で本記事を終わります。

関連ブログ記事 (blog.control-theory.com)

研究Webページ (www.control-theory.com)

動画ポータル

LaTeXに関する書籍

Kindle

自己紹介

研究室HP

岡島寛 (システム制御 control-theory.com)

English Web Page

Hiroshi Okajima (Control Engineering control-theory.com)

制御動画ポータルサイト

制御工学チャンネル(伝達関数・状態方程式・MATLABなど)

電気動画ポータルサイト

電気電子チャンネル (半導体・電気・電子工作など)

YouTube

制御工学チャンネル (制御YouTubeチャンネル)