制御工学ブログ

制御工学の研究者を20年やっている国立大学教員が制御工学の基礎から専門まで広く説明します。記事内では、動画やMATLABコードを交えながらわかりやすく解説する方針です。

よりよい卒業論文・修士論文を執筆するために(卒論・修論チェックシート)

学生間の相互チェックや、先輩後輩間のチェックを通して文章力が向上していくことが多いです。卒論は、指導教員や関連の教員以外であまり見る機会は少ないですが、これをしっかりまとめることで自信につながりますし、今後の学会発表や社会人での報告書作成にも広い意味で役に立ちます。

ちなみに、以下のシートは昨年から研究室で使っているもので、書式は論文の査読みたいな感じになっています。卒論や修論の執筆時のブラッシュアップや相互チェックに活用してください。

画像
チェックシート

学生間の相互チェックでは、見てもらってる側というより、チェック者自身にとっても他人の論文をチェックすることで得る気づきが大きいと思います。自身の研究内容以外での論文執筆へのアプローチを見ることができるので。

もちろん、良質な論文を読むことも成長には繋がりますが、どちらかと言うと論文の改善作業を通して、大学生、大学院生が成長していける側面は大きいと考えています。

これらの論文をチェックして合否を決める教員にとっても、体裁が整っているか否かは重要だと思います。体裁が整っていない文章は、読むのに苦労します。もし、指導教員やその他関係の教員が論文を読んで指摘をするようなケースでは、教員からのフィードバックは、今後の更なる研究につながる有益な指摘になり得ますが、そもそも体裁が整っていなければ中身でなく体裁の指摘で終わってしまうかもしれません。それは、卒論・修論の執筆者にとっても益は少ないでしょう。より良い論文を目指して頑張ってください。

はじめて(もしくは2回目以降も)Texで論文執筆する場合は、引用{\cite}や、数式の書き方、図の書き方とキャプションに注意する必要があります。良い論文を書く上で、すでに出版されている論文を多く読んでおくとよいです。引用は「著者」「タイトル」「雑誌名」「Vol. 」「No. 」「ページ」「出版年」の順に記載するのが一般的であり、各論文誌ごとのスタイルに合わせて作成する必要があります。

1つの文献内で引用の書き方が異なっていると、それだけで「ちゃんとしていない」ということになりますので、体裁を整えることは重要です。(これは論文に限りませんが)

今まで、研究室の過ごし方や、卒研発表のプレゼン方法に関する動画は作っていますが、論文の書き方についてはなかなか動画にするのは難しいように考えています。

スライド作成と練習・質疑対応の極意

大学研究室での研究の進め方

参考になれば幸いです。

関連記事

 

control-engineering-channel.hatenablog.com