制御工学ブログ

制御工学の研究者を20年やっている国立大学教員が制御工学の基礎から専門まで広く説明します。記事内では、動画やMATLABコードを交えながらわかりやすく解説する方針です。

2023年の振り返りと2024年の抱負(研究と教育,SNS)

昨年は、色々な出来事があった一年でした。

本年も地道に研究や教育に携わっていこうと考えております。 どうぞよろしくお願い致します。

 

2023年の振り返り2024年の抱負を書いていこうと思います。

 

2023年は、学会発表以外での依頼を受けての発表が多かった1年になります。

 

まず5月にSCIでチュートリアル講演をしました。これまで十数年行ってきたモデル誤差抑制補償器の内容を説明するものであり、参加者には制御界の重鎮の先生方も多くおられて緊張しました。このような機会を頂きました、細江先生、主査の加嶋先生に感謝です。

 

また、9月には、日本鉄鋼協会の若手フォーラムにて、最近行っているマルチレートシステムの制御に関する内容の講演を行いました。ここでは、5名の先生方と鉄鋼協会の若手の技術者・研究者の方と交流ができて色々と刺激を受けました。

 

次の日には、初めて四国に行き、教育関連の発表を行いました。教育関係の話を聞く機会は少ないので面白かったです。

 

12月は、SICE制御部門制御技術部会の講演会の依頼を頂き、制御工学チャンネル(動画ポータル)に関する講演を行いました。

 

7月には日本でIFAC World Congressが開催され、初日は天皇陛下が挨拶されました。ちなみにその頃私は移動中で参加できていません。IFACではモデル誤差抑制補償器の内容で発表を行いました。富山大の平田先生(阪大時代の先生です)のセッションで発表しました。

 

学術論文についても、今年は充実していたと思います。

 

まず、SICEに総合論文という形式でこれまでのモデル誤差抑制補償器の研究成果をまとめた形で論文が掲載されました。

www.jstage.jst.go.jp

 

また、京大の細江先生、萩原先生と共著でマルチレート系の状態推定に関する論文がIEEE Accessに掲載されました。

https://ieeexplore.ieee.org/document/10054014

 

メインとしては、松永先生が執筆されている論文が2編、Journal of Robotics and Mechatronicsに掲載されました。1本はMEC関係の論文

www.fujipress.jp

 

もう1本は外れ値にロバストなオブザーバを用いた内容の論文でどちらもビークルや移動ロボットの研究です。

www.fujipress.jp

 

11月には、入力、観測のマルチレート系について、オブザーバベース制御系の設計を行う論文がIEEE Accessに掲載されました。

https://ieeexplore.ieee.org/document/10304152

 

こちらの論文は、学生2名との共著です。 その他、解説記事として、MATLABによる線形行列不等式を用いた制御器パラメータの設計の記事が計測と制御に掲載されました。

www.jstage.jst.go.jp

これで、通算の英語論文数は23になり、全体の論文数が79本になりました。英語が苦手かつ嫌いな人間にしてはよくやったと思います。 ちなみに筆頭論文数は48になりました。9月には、計測自動制御学会(国内制御工学分野の学会)の教育貢献賞を頂きました。(価値の大小など考えるべきではないかもしれませんが)大きい賞の受賞はなかったのでうれしい限りです。

 

以上が2023年の振り返りになります。次に2024年の抱負です。

 

来年の目標は以下のように設定しています。

 

1. YouTubeチャンネルの登録者10000人

現時点で制御YouTubeチャンネルの登録者が7900名超です。

www.youtube.com

 

ペースだけ考えると2024年のうちに10000人に到達しますが、2023年はアップロードした動画数は2020-2022に比べて少なかったです。思いつく範囲での動画は作成しましたし、今後も、新たな方向で動画を作るのは難しいと思います。しかしながら、更新がないと目標どころではないでしょうから、更新を頑張ります。モチベーションという意味で10000人を来年の目標にしておこうと思います。

control-engineering-channel.hatenablog.com

また、英語のチャンネルも作っていますので、そちらの目標を300人に設定します。

www.youtube.com

 

2. 動画ポータルサイトの拡充

動画ポータルサイトは、現状制御の動画500本以上、解説記事リンク140以上のサイトになっています。このとき、ポータルサイトの形を取っているからには、動画同士の関連についても触れる必要があると考えています。また、サイトへの動画リンク掲載の許可を頂いている先生方のチャンネルもうまく伸びるよう工夫をしていきたいと考えています。これは、制御分野の発展に直で繋がると思います。

sites.google.com

 

3. 論文執筆(3本)

とりあえずは、論文3本を目標としてやっていこうと考えています。大学の学内業務が繁忙期となっており、今年は達成できないかもしれませんが、とりあえずの目標です。何個かのアイディアはありますので、あとは作業時間との闘いです。

 

4. 研究環境の整備

研究費の問題を抱えた1年でしたので、2024年は色々な立ち回りを考えてやっていこうと思います。研究費申請を重要視して、さきがけや、共同研究等を視野に進めていきます。

 

改めまして、来年も1年間どうぞよろしくお願い致します。

 

 

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自己紹介

岡島 寛 (熊本大学工学部情報電気工学科准教授)

制御工学の研究をしています。モデル誤差抑制補償器,状態推定,量子化制御など

研究室HP

岡島研究室(システム制御 control-theory.com)

制御動画ポータルサイト

制御工学チャンネル(伝達関数・状態方程式・MATLABなど)

電気動画ポータルサイト

電気電子チャンネル (半導体・電気・電子工作など)

YouTube 

制御工学チャンネル (制御YouTubeチャンネル)

 

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